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公演情報

演目と解説

演目

解説

第一部

一、『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』すし屋

大和国下市村の鮓屋には平維盛が弥助と名を変え、匿われています。弥助の正体を知らない娘のお里は弥助と祝言を挙げることを喜びます。そこへお里の兄のいがみの権太がやってきて、母から騙し取った金を鮓桶に隠す一方、父は源氏方に迫られた時を考え、偽首を鮓桶に隠します。夜更け、維盛と生き別れた妻と若君が偶然にも鮓屋を訪れるので、弥助の正体を知ったお里は維盛たちを逃がします。この様子を窺っていた権太は鮓桶を持って後を追っていき・・・

『義経千本桜』の三段目に当たる「すし屋」は、平維盛を救うために、鮓屋の家族の犠牲を描いた悲劇の物語。弥助を慕うお里の恋心、いがみの権太の愛嬌ある悪態と後半のモドリの述懐など、みどころが多く緩急ある展開の一幕です。

二、『心中月夜星野屋(しんじゅうつきよのほしのや)』

青物問屋星野屋の照蔵に囲われている元芸者のおたか。そこへ照蔵が現れ、突然、別れ話を切り出します。金の工面に困る照蔵の話を聞いたおたかは、はずみで一緒に心中する約束をしてしまいます。とはいえ、死ぬ気などないおたかが困るところ、母のお熊が娘に入れ知恵をします。その夜、吾妻橋にやって来た照蔵とおたかですが、照蔵だけが隅田川に飛び込みます。家に戻ったおたかですが、そこへ照蔵との仲を持った藤助がやって来て、照蔵の幽霊が出たと話すので・・・

 古典落語の「星野屋」を歌舞伎化した新作歌舞伎。抜け目ない照蔵、心中の約束をするおたかの調子の良さ、娘に心中の仕方を教える母のしたたかさなど、登場人物の特徴が際立ち、笑いと共に描かれます。男と女の騙し合いを飄々と描いた喜劇の一幕です。

夜の部

一、『傾城反魂香(けいせいはんごんこう)』

山科の里にある絵師の土佐将監の館にやって来たのは、弟子の浮世又平と女房おとく。土佐の名字を授かりたいと願う吃音の又平に変わり、女房おとくが将監に申し出ますが、その願いは却下され、絶望した夫婦は自害を決意します。又平は、今生の名残にと庭先の手水鉢に自画像を描きますが・・・

通称「吃又」と呼ばれるこの場は、吃音の夫とそれを支える女房による夫婦の情愛と奇跡を描きます。近松門左衛門による義太夫狂言の名作をご覧ください。

二、『高坏(たかつき)』

 大名の花見見物の供に来た次郎冠者は、大名から高坏の購入を命じられます。しかし、高坏を知らない次郎冠者は、通りかかった高足売りに騙されて、高下駄を購入。安堵した次郎冠者は酒を呑んで寝入りますが、そこへ大名が現れて・・・

高下駄を履いて、タップダンスさながら踊るという趣向が楽しい長唄の歌舞伎舞踊です。

三、『芝浜革財布(しばはまのかわざいふ)』

 酒好きで怠け者の魚屋の政五郎は、女房おたつに急かされて、夜明け前の芝浜海岸にやって来ます。そこで大金入りの革財布を拾った政五郎は、仲間を集めて大宴会を始めます。しかし、酒に酔って一晩寝て目が覚めると、女房に預けた財布はなく、おたつは夢でも見たのだろうと言って取り合いません。反省した政五郎は禁酒を誓い、一念発起して働いて三年が経ち・・・

 三遊亭円朝の人情噺「芝浜」を歌舞伎化した作品。財布を拾ったのは夢かまことか、笑いの中にほろりとした情を描く江戸風情の名作をお楽しみください。

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